円錐角膜

● 円錐角膜とは?

円錐角膜とは、角膜が薄くなり中心部が前方へ円錐状に突出する病気です。乱視が進行し、眼鏡やコンタクトレンズが合わないと訴えて来院することが多いです。思春期に発症し、30~40歳ごろまで徐々に進行します。

円錐角膜は、従来はハードコンタクトレンズで矯正し、コンタクトレンズが装用できなくなれば角膜移植手術をするしか治療法がありませんでした。しかし慈明会では将来起こりうる角膜移植を回避する目的で、角膜クロスリンキング(CXL)と角膜内リング(ICRS)などの先進的な治療を行っています。これらの治療は円錐角膜の進行を予防するだけでなく、これまでハードコンタクトレンズ装用が困難であった方を装用可能にしたり、軽症の方ではソフトコンタクトレンズや眼鏡での矯正が可能になります。

また角膜クロスリンキング(CXL)と角膜内リング(ICRS)後にICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入することで視力の改善も期待できます。慈明会では円錐角膜の進行度合いに応じて治療目標を設定し、治療を行っています。

角膜クロスリンキング(CXL)と角膜内リング(ICRS)

● 角膜クロスリンキング(CXL)

角膜クロスリンキングとは、ドイツのSeilerらが開発した治療法で、角膜にリボフラビン(ビタミンB2)を点眼しながら、365nmの紫外線を照射する治療法です。角膜実質内のコラーゲンを結合させ、柔らかい組織を硬い組織に変えることで円錐角膜の進行を予防します。

角膜クロスリンキングの手術方法

手術時間は、片眼で約1時間です。

ベッドに横になり、麻酔薬を点眼します。

専用のブラシで角膜の表面にある上皮を取り除きます。

リボフラビン(ビタミンB2)を2分毎に30分間点眼します。

角膜に15分間紫外線を照射します。

保護用ソフトコンタクトレンズをのせて終了です。

● 角膜内リング(ICRS)

角膜周辺部の実質内に半円弧状のプレートを挿入し、突出した角膜のカーブを平坦化させる手術です。当院で使用するリング(Intacs)は2004年に円錐角膜用としてFDAに承認されました。リング挿入後は乱視が軽減するため、裸眼視力の改善やソフトコンタクトレンズや眼鏡での矯正が可能になります。当院では、角膜切開の際にフェムトセカンドレーザーを使用することにより、精密で安全な手術が可能になりました。

ICRの手術方法

手術時間は、片眼で約10〜15分です。

ベッドに横になり、麻酔薬を点眼します。

イントラレースレーザーで、トンネルを作成します。レーザー照射時間は、片眼約10秒です。

一ヶ所レーザーで切開して、リングの入り口を作ります。

切開面より、リングをトンネル内に挿入します。

2本のリングを挿入した後、切開面を1針縫います。

保護用ソフトコンタクトレンズをのせて終了です。

円錐角膜手術の費用等

● 手術費用

● 健康保険適応外(自費診療)

角膜クロスリンキング(CXL)
片眼:150,000円(税込)/両眼:300,000円(税込)
角膜内リング(ICRS)
片眼:450,000円(税込)/両眼:900,000円(税込)
ICRS+ICL
片眼:850,000円(税込)

※上記手術費用には手術当日翌日の診察・薬代を含みます。

● 術後検査料

● 術後1ヶ月まで無料
● 検査診察処方箋料を含む 薬代別途

手術について

手術前検査までのご注意

  • 手術用のデータを作成しますので、睡眠不足などないように、体調管理には十分気をつけてください。
  • コンタクトレンズを装用されている方は、角膜の形が変形している場合があります。
    コンタクトレンズの影響を取り除いて正確な手術を行うため、手術前検査の前に一定期間装用を中止してください。
  • コンタクトレンズの装用状況によっては、再検査が必要になったり、装用中止期間が長くなる場合もあります。

    ● ハードコンタクトレンズ:手術前検査の2週間以上前から
    ● 乱視用ソフトコンタクトレンズ:手術前検査の2週間以上前から
    ● ソフトコンタクトレンズ:手術前検査の1週間以上前から

手術前検査

手術の適応を判断するためには、正確な検査が必要です。各検査項目についてご説明します。

角膜形状解析

OPDスキャン・カシアを用いて、角膜の表面や後面を撮影します。角膜の形状を色分けして表示することによって、乱視の状態や角膜形状の異常の有無がわかります。

他覚的屈折検査

オートレフケラトメーターを用いて、近視・遠視・乱視の度数、角膜の屈折率を他覚的に測定します。また、より正確な度数を測定するために、散瞳した状態(瞳孔を広げる目薬を使用し、調整力を取り除いた状態)でも測定します。

眼圧測定

ノンコンタクトトノメーターという器械で目に空気(風)をあて、その風がはね返ってきた速度で目の硬さを測定します。正常値は10~21mmHgと定義されています。また、LASIKやPRKの手術後は、手術前よりも測定値が低くなります。

角膜内皮細胞検査

スペキュラーマイクロスコープを用いて、角膜の内皮細胞を撮影し、その数と大きさ、形状を調べます。コンタクトレンズを長期間装用した目では細胞の数が減少して、細胞が拡大している場合があります。

自覚的屈折検査(視力検査)

遠くと近くの裸眼視力や矯正視力、および自覚的な近視・遠視・乱視の度数を測定します。また、遠くにピントを合わせた状態で近くの見え方を調べ、手術後の老眼(老視)のシミュレーションを行います。

角膜厚測定

角膜厚測定パキメーターを角膜に接触させ、角膜の厚みを測定します。

眼軸長測定

超音波測定装置を用いて目の長さを測定します。成人で正視の方の場合は、約23.5mmです。

細隙灯顕微鏡検査

主に結膜・角膜・前房・水晶体などに異常がないか検査します。特殊な染色液を点眼することによって、ドライアイの状態もわかります。

眼底検査

散瞳剤を点眼した後、主に水晶体・網膜・視神経などに異常がないか検査します。近視の目はもともと網膜剥離などの発生頻度が高く、何か疾患が見つかった場合には、先にそちらの治療が必要になります。

術後検査・定期検査

手術後の定期検査は、視力の回復の状態を把握したり、合併症の早期発見のために非常に大切です。手術後の経過がよくても必ず受診してください。また、目をぶつけたり、見え方が急に変化したり、何か異常を感じた場合は、すぐにご連絡ください。

1ヶ月検査時は眼底検査を行いますので、お車の運転はなさらないでご来院ください。(1年検査以降もご希望で眼底検査を行います)
*手術後の検査代、追加のお薬代は別途かかります。
*目の状態によっては、定期検査の日程以外の診察が必要になる場合もあります。

定期検査
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 1ヶ月以降 1年以降
翌日 術後 1週間 2週間 3週間 1ヶ月検査 その後1ヶ月毎 1年検査 その後1年毎

手術後の生活

定期検査
  手術直後~翌朝 翌日検査後~1週間 1週間~1ヶ月 1ヶ月以降
入浴
洗髪
洗顔
すべて控えてください
*顔は目の周りを避けて、濡れタオルで拭くのみにしてください
すべて可能です
*目に水が入らないようにご注意ください
*まぶたをゴシゴシこすらないようにしてください
生活は手術前と同様に戻ります
水泳時はゴーグルをつけてください
目の保護 外出時・就寝時は保護用メガネを装用してください 通常どおり
スポーツ すべてのスポーツは控えてください 軽いスポーツは可能です
(目に直接衝撃が加わらないもの)詳しくは医師にご相談ください
お化粧 お化粧はすべて控えてください アイメイク・ビューラー以外は可能です 通常どおり
飲酒 飲酒は控えてください 少量なら可能です 通常どおり
その他 プール・温泉・サウナ・海水浴は控えてください。パーマ・毛染めは控えて下さい

矯正治療